血液透析患者の冠動脈Caスコアと臨床所見との関連性について
渡辺内科クリニック 検査・透析センター
○小曽根優羽・原諒汰・伊羅子晴菜・川村麻友・小暮優希・西川瑞基・小林航・佐藤翔・芳野響一・清水亮汰・栗原研二・渡辺幸康
前橋赤十字病院 リウマチ腎臓内科 渡辺嘉一
【研究目的】
血液透析患者における動脈硬化の進展は生命予後に関する重要なリスクファクターである。
2013年、当院に導入されたマルチスライスCTを用いて、冠動脈Caスコアを測定し、血液透析患者におけるのCaスコア(アガストンスコア)と臨床所見との関連性について、詳細に検討した。
【方法】
■Caスコアの測定:全身用X線CT診断装置64列/128マルチスライスCT(日立製作所SCENARIA EX edition)および80列/160マルチスライスCT(キャノンメディカルシステムズAquilion Serve)を用いて、透析患者のAgatstonスコアをカルシウム定量化アプリケーションを使用して測定した。
■【臨床所見と血液検査】年齢・性別・透析歴・体格・喫煙歴・糖尿病歴・高血圧歴・虚血性心疾患歴・脳血管障害歴・血圧・血算・生化学検査・骨塩定量(MD法)などを検討した。
■統計解析:“Stat View” version 5.0で,分散分析・T検定及び回帰分析を行い,2指標間の相関はピアソンの相関係数を用いて検討し,各群間の有意差検定は2群間ではカイ2乗検定・t検定を行った。次に, 冠動脈Caスコアを従属変数とした重回帰分析を行った。
【結語】
1. HD患者の冠動脈Caスコアは男性・喫煙歴ありが有意に高く、年齢・透析歴と正の相関を示したが、体格・血圧とは相関を示さなかった。
2. HD患者の冠動脈Caスコアは栄養状態とは負の相関を示した。
3. HD患者の冠動脈Caスコアは腎機能Crとは相関を示さず、BUNと負の相関を示した。
4. HD患者の冠動脈Caスコアは血清脂質とは負の相関を示した。
5. HD患者の冠動脈Caスコアは炎症反応CRPとは相関を示さず、フィブリノゲンとは負の相関を示した。
6. HD患者の冠動脈CaスコアはCa・P代謝とは相関を示さず、Pのみが負の相関を示した。
7. HD患者の冠動脈Caスコアは骨塩定量とは相関を示さなかった。
8. HD患者の冠動脈Caスコアは血糖・グリコアルブミンとは相関を示さなかった。
9. HD患者の冠動脈CaスコアはDM・IHDがある群が高かったが、CVDには有意差がなかった。
10. HD患者の冠動脈CaスコアはHt・TIBCとは負の相関を示し、血清フェリチン・TSATとは正の相関を示した。
11. 冠動脈Caスコアを従属変数とした重回帰分析では透析歴・総コレステロール・DM・IHD・年齢・LDLコレステロール・高血圧の順に有意な変数として認められた。