第47回群馬県透析懇話会

血液透析患者のα-Klotho蛋白と心臓・血管の構造変化との関連性について

渡辺内科クリニック 検査・透析センター
○新井綾夏・岸部伊吹規・斉藤浩次・芳野響一・道園ルリ子・切通慎太郎・西川瑞基・栗原研二・渡辺幸康 
前橋赤十字病院 リウマチ腎臓内科 渡辺嘉一

【対象及び方法】
HD患者における動脈硬化の進展は生命予後に対する重要なリスクファクターである。以前、我々は、日本透析医学会において、HD患者における心臓と血管の形態変化との関連性について、詳細に報告した。今回、我々は、頚動脈エコー・心エコーを施行し、血中α-Klotho蛋白と心臓と血管の形態変化と硬さ・弾性変化との関連性について、詳細に検討し、長寿遺伝子であるα-Klothoと心臓血管の構造変化との関係について、どのような関連性があるかを検討した。当院HD96例と非HD(外来腎機能正常者)23例において、心エコー検査及び頚動脈エコー検査、血中α-Klotho蛋白濃度(サンドイッチELISA法)の測定を行った。心エコーでは左室心筋重量係数(LVMI),左心室の相対的壁肥厚度(LVRWT)を測定し、頚動脈の構造変化の指標としてはIMT(血管厚の指標), plaque score(最大のIMT), CAD(血管径の指標), LCSA(血管腔横断面積の指標), IMCSA/BSA(血管壁横断面積の指標)、頚動脈の硬さ・弾性の指標としてはEP(pressure strain elastic module), YEM(Young’s Elastic Modulus), β-stiffness indexを測定した。

【結果】
1 HD患者の α-Klotho蛋白は腎機能正常な非HD患者に比べ低下して おり、年代と共に低下がみられ た。
2. HD患者のα-Klotho蛋白は年齢・血圧・炎症と負の相関を示した。
3. HD患者のα-Klotho蛋白は頚動脈プラークの進展に比例して低下していた。
4. HD患者のα-Klotho蛋白は頚動脈の構造変化・弾性変化に比例して低下していた。
5. HD患者のα-Klotho蛋白は心臓肥大に比例して低下していた。
6. α-Klotho蛋白との重回帰分析ではIMCSA/BSAとβ-stiffness indexが有意な因子として示された。

【結論】
HD患者におけるα-Klotho蛋白は心臓と血管の構造変化及び硬さ・弾性悪化に伴って低下する。このことは長寿遺伝子と関連のある血中α-Klotho蛋白が重要な影響を及ぼしていると思われた。

血液透析患者のα-Klotho蛋白と心臓・血管の形態変化との関連性について 2

タイトルとURLをコピーしました