第49回 群馬県透析懇話会学術集会プログラム

血液透析患者の冠動脈Caスコアと心臓関連マーカーとの関連性について

渡辺内科クリニック 検査・透析センター
○原諒汰・伊羅子晴菜・川村麻友・小曽根優羽・小暮優希・西川瑞基・小林航・佐藤翔・芳野響一・清水亮汰・栗原研二・渡辺幸康
前橋赤十字病院 リウマチ腎臓内科 渡辺嘉一

【研究目的】
血液透析患者における動脈硬化の進展は生命予後に関する重要なリスクファクターである。
2013年、当院に導入されたマルチスライスCTを用いて、冠動脈Caスコアを測定し、血液透析患者におけるのCaスコア(アガストンスコア)と心エコーによる心臓関連マーカーなどの指標との関連性について、詳細に検討した。

【方法】
■Caスコアの測定:全身用X線CT診断装置64列/128マルチスライスCT(日立製作所SCENARIA EX edition)および80列/160マルチスライスCT(キャノンメディカルシステムズAquilion Serve)を用いて、透析患者のAgatstonスコアをカルシウム定量化アプリケーションを使用して測定した。
■【心エコー検査】 富士フィルムメディカル株式会社製超音波診断装置ARIETTA 650 Deep Insight SE、セクタープローブ5MHzを使用し、心エコー検査を施行し、標準的心エコー検査項目を測定した。収縮機能の指標は従来法のEF測定とSimpson法EFによる測定を、拡張機能の指標は組織ドップラー法僧帽弁輪運動速度中隔側と側壁側の平均E/e’を用いた。また、Devereuxらの式から左室心筋重量(LVM)を求め, これを体表面積(BSA)で除して,左室心筋重量係数LVMI(LVM/BSA)とした。さらに,左心室の相対的壁肥厚度(RWT)を(IVST+PWT)/LVDdにより計算した。
■左室機能の評価: 左室収縮機能障害(LV systolic dysfunction)の有無に関してはEF<50%でLV systolic dysfunction (+)と判断した。
■統計解析:“Stat View” version 5.0で,分散分析・T検定及び回帰分析を行い,2指標間の相関はピアソンの相関係数を用いて検討し,各群間の有意差検定は2群間ではカイ2乗検定・t検定を行った。次に, 冠動脈Caスコアを従属変数とした重回帰分析を行った。

【結語】
1. HD患者の 冠動脈Caスコアは左室心筋重量係数LVMI・左心室相対的壁肥厚度RWTと正の相関を示した。
2. HD患者の 冠動脈Caスコアは左室収縮機能と負の相関を示した。
3. HD患者の 冠動脈Caスコアは左室拡張機能障害と正の相関を示した。
4. HD患者の 冠動脈Caスコアは下大静脈径と正の相関を示し、下大静脈虚脱指数と負の相関を示した。
5. HD患者の 冠動脈Caスコアは左心室壁厚・左心室容積と正の相関を示した。
6. HD患者の 冠動脈Caスコアは心拍出量と負の相関を示した。
7. HD患者の 冠動脈Caスコアは左室肥大4群が1番高かった。
8. HD患者の冠動脈Caスコアは左室肥大が有る群が有意に高かった。
9. HD患者の 冠動脈Caスコアは左室収縮機能障害が有る群が有意に高かった。
10. 冠動脈Caスコアを従属変数とした重回帰分析では透析歴・E/e’・EF・性別・年齢の順に有意な変数として認められた。

血液透析患者の冠動脈Caスコアと心臓関連マーカーとの関連性について

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