第45回群馬県透析懇話会

血液透析患者の下肢CT石灰化スコアについて

 

渡辺内科クリニック 検査・透析センター

○恩田雄貴・斉藤浩次・金田輝・切通慎太郎・今泉百臣・石川ひろみ・高﨑惣太・根岸園佳・道園ルリ子・栗原研二・渡辺幸康

 

前橋赤十字病院  リウマチ腎臓内科  渡辺嘉一

 

【対象及び方法】

血液透析患者の足病変は、年々増加している。今回我々は、当院透析患者87例において、下肢の動脈硬化・石灰化の進展度を評価する指標として、下肢の単純CTを施行し、下肢石灰化領域の指標として、下肢CT石灰化スコアという新たな概念を導入し、従来の各種動脈硬化指標、すなわち、冠動脈Caスコア・頚動脈プラークスコア・ABI・ ba-PWV・SPP・PVRなどとの関連性について、比較検討をおこない、下肢CT石灰化スコアの足病変を判断する上での有用性を検討した。下肢CT石灰化スコアの測定方法は、全身用X線CT診断装置64列/128マルチスライスCTを用いて、透析患者の下肢単純CTを施行した。両側の総腸骨動脈、外腸骨動脈、浅大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈の長さの総合計(L)を測り、両下肢の石灰化領域の長さの総合計(C)を計測した。そして、C÷L×100(%)を計算し、その値を下肢石灰化スコアと定義した。

 

【結果】

1.血液透析患者では、足病変が多い(8%)。

2.下肢CT石灰化スコアは年齢、透析歴、Caスコア、Plaqueスコア、ABI、ba-PWV、PVRと有意な相関があった。

3.足病変ありの透析患者は有意に下肢CT石灰化スコアが高かった。

4.足病変の検定におけるROC解析では、下肢CT石灰化スコアはSPP・PVRと同様に有用な検査であった。

 

【結論】

血液透析患者における足病変を評価するための検査において、下肢CT石灰化スコアはSPPやPVRに比べて遜色のない有用な検査方法であることが判明した。

血液透析患者の下肢CT石灰化スコアについて

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