透析患者における頸動脈血流波形の検討

透析患者における内シャント血流波形の解析

―パルスドプラ法による検討―

          渡辺内科クリニック

        渡辺幸康・綿引理恵

はじめに : 血液透析を長期にわたり試行するためには、ブラッドアクセスは必須であり、透析患者の高齢化に伴い、今後さらにその重要性が増すものと思われる。しかし、これまでに内シャントの血流波形を計測し、種々のリスクファクターとの相関に解析を加えた研究は少ない。

        今回我々は透析患者さんの内シャント血流波形を測定し、その波形パラメーターの特徴を検討した。また、さらに性別・年齢・透析歴・糖尿病・虚血性心疾患・血圧 ・心胸比・内シャント脈波速度(Shunt PWV)・Fontaineの分類・心機能との関連性についても検討を加えた。

対  象 : 渡辺内科クリニック維持透析患者46名(男性34名、女性12名)

方  法 :1.シャント血流波形の測定

超音波パルスドップラー装置(日立EUB525、GE横河メディカルLOGIQ 400 PRO Series、東芝Core Vision PRO)を用いて、高周波プローベにて、吻合部直下静脈側内シャント血流波形と大動脈弓部血流波形を透析後に測定した。

次に、3.5MHzのプローベを使用して、左室長軸心エコーにてLVDd、SV、EFを測定し、さらに、安静呼気時に下大静脈・肝静脈分岐部にてIVCd最大径を測定した。また、大動脈弓部からシャントまでの距離L(m)を測定し、Shunt PWVを計算し、補正用モノグラムを用いて拡張期血圧で補正した補正内シャント脈波速度(Shunt C-PWV)を求めた。

2.理学的検査  収縮期血圧・拡張期血圧・心拍数・心胸比を透析後に測定した。

3.透析前採血  血液・生化学的検査は透析前に採血した。

結  論 :1.内シャントPWV、R-shuntは動脈硬化の指標であるFontaineの分類と相関を認める。

2.内シャントのオーバーフローは心不全を助長する傾向にある。

3.心電図のR波と内シャント血流波形のピークまでの時間(R-PV)と心電図のR波と内シャント血流波形の立ち上がりまでの時間(R-shunt)は正の相関を示し、そのグラフは内シャントと各種リスクファクターとの関連性を検討する上で良い指標となる。

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